はじめに:誰もが一度は悩むテーマ
FXを始めた頃、「ファンダメンタル分析」という言葉を聞くたびに、
“それを理解しないと勝てない”ような気がしていました。
金利、雇用統計、GDP、FOMC、日銀政策・・・。 経済ニュースを読めば読むほど、「これが分からないと危険」と煽るような情報があふれていて、私も例に漏れず、ブルームバーグの記事を読んだり、海外アナリストの発言をチェックしたりしていました。
でも、気がつけばそれをどう「トレード」に落とし込めばいいのかが全く分からないまま、10年が経っていたという・・・
ファンダメンタル分析とは何か
まず整理しておくと、ファンダメンタル分析とは「経済の基礎的要因」から為替の方向を予測する分析法です。
金利、雇用統計、インフレ率、貿易収支などのデータをもとに、
通貨の強弱を見極めるというもの。
理屈は分かりますよ。
でもね、私のような1分足トレーダーには、それがどう役に立つのかが分からなかった。
だって、私の世界は“秒と分”で動いている。
経済が動くスピードとは、まるで別の時間軸なんです。
経済指標の結果が出て、市場が反応するのはその後。
その間に私のトレードは、もう何回も完結しています。
私のスタイルには、必要性を感じなかった理由
私は、1分足のスキャルピングを専門にしています。
1日の中で小さな波を取りに行く。
ポジション保有時間は15分程度まで、10pipsを確実に積み上げる世界です。
この時間軸でトレードしていると、
ファンダメンタルは「風のような存在」になります。
確かに大きな流れは作りますが、1分足の波の上下には、ほとんど関与しない。
むしろ、ファンダ情報を意識しすぎると、
「ニュースで動くかもしれない」「指標があるから入れない」など、本来取れるはずのチャンスを見逃すことが増える。
私は過去に何度も「情報疲れ」を経験しました。
ブルームバーグを開き、世界のニュースを追って、結局“頭がいっぱいになって押せない”状態になる。
考えすぎて、何もできない。(アレレ…
そのとき気づきました。
「情報を知ること」と「勝てること」は、まったく別物だとね。
「ファンダ無視」でも勝てる理由
短期トレーダーにとって最も大切なのは、「その瞬間にどの方向へ流れが生まれているか」です。
それを判断するために必要なのは、ニュースでも経済学でもなく、チャートです。
ローソク足の形、移動平均線の傾き、出来高の勢い・・
これらがすべて、ファンダメンタルを“反映した結果”なんです。
つまり、チャートこそがファンダメンタルの最終形。
ダウ理論にもね「すべてを折り込む」っていうのがあるでしょ。
どれだけ立派な予想を立てても、チャートが逆方向を示していれば、それが現実です。
トレーダーの仕事は、現実に合わせて行動すること。
私は、ファンダメンタルを“翻訳する努力”をやめてから、トレードが一気に安定しました。
チャートがすでにすべてを語ってくれていると理解してから、世界が静かになった感じでした。雑音なく、トレードに集中できる。
極めるべきは「テクニカル分析」とね。
長期トレーダーには必要かもしれない
もちろん、スイングトレーダーやポジショントレーダーのように、数日から数週間、あるいは数ヶ月ポジションを保有する人にとっては、ファンダメンタルは重要な指標になると思います。
金利政策や経済成長率の方向性は、中長期のトレンド形成に大きな影響を与えます。
例えば、FRBの利上げ方針が続けばドルは買われやすくなるし、欧州経済が低迷すればユーロは売られやすくなる。
そういった、いわゆる「地形」を読むためにファンダを利用するのは理にかなっています。
ただ、私のように1分足で取引していると、その「地形」が変わる前に何百回もトレードが完結してしまう。 だから、ファンダを知る意味がないというよりもタイムスケールが違いすぎるのです。
ファンダメンタルは時に「ノイズ」になる
人間の脳は、情報を得ると安心します。
「何かを知っている=優位だ」と錯覚するんです。
でも実際は、情報が増えるほど迷いも増える。
ファンダメンタル情報は、その典型です。
「今日は米雇用統計があるから様子見」
「FRBの発言が気になるから、方向感が出るまで待とう」
こうして、「何もしない理由」ばかりが増やしても仕方ないですか!?
実際、重要指標のある日は、午後のメイン相場も静かで、ロンドン勢も動きづらそうにしていることがあります。
そんなとき私は、相場が止まっていることを確認してから休むようにしています。 つまり「動かないからやらない」のではなく、動かないことを確認してからやらない。っていう状態。これはとても重要なことだと思ってます。
「ファンダがあるから今日はやらない」ではなく、「チャートが動いていないから今日はやらない」。
あくまで判断の主語はチャートです。
ファンダを学んでも、脳の反応までは変えられないんです。
相場の動きに対して「怖い」「焦る」と感じるのは、知識の問題ではなく、
脳の構造と感情の問題。
ファンダを知ることは、知的な満足にはなるけれど、トレードの技術的進歩とは別の話なんです。
ファンダを「無視する勇気」
私が本格的に勝てるようになったのは、「情報を減らす」勇気を持ったときでした。
ニュースアプリを消し、チャート以外の情報を一切遮断。
SNSも見ず、予想記事も読まない。
その代わり、チャートの動きだけをひたすら観察しました。
すると、驚くほどシンプルな法則が見えてきたものです。
上がるときは、ちゃんと“上がる形”をしている。
下がるときは、必ず“下がる形”をしている。
その形が、すべてのファンダを内包。
市場の集団心理が、ニュースよりも先にチャートに現れていたんです。
ファンダを無視するとは、外の情報を切ることではなく、内側の観察力を高めること。
外界のノイズを減らすことで、チャートの声がクリアに聞こえるようになりましたね。
ファンダを“使える人”と“惑わされる人”の違い
ファンダメンタルを完全に否定するつもりはありません。
むしろ、それを「使いこなせる人」は素晴らしい。
でも、それには明確な条件があります。
それは、ファンダを感情の言い訳にしない人です。
「下がったのは指標のせいだ」
「負けたのは金利のニュースがあったから」
こう言い訳してしまうと、
トレードの本質からどんどん遠ざかります。
本当に上手い人は、ニュースがどうであれ「チャートが下を向いたから売った」「上を向いたから買った」と言う。
ニュースは後づけの理由にすぎません。
自分の分析と結果の責任を、すべて自分で負える人。それが、ファンダを「使える人」だと思っています。
まとめ:ファンダを「知識」として持ち、「判断」には使わない
最終的に私の結論はこれです。
ファンダメンタル分析は、知識として持っておいて損はない。
でも、判断の軸として使うべきではない。
スイングトレーダーや長期保有の投資家なら、ファンダが羅針盤になることもあるでしょう。
しかし、短期トレーダーにとっては、むしろノイズになる可能性が高い。
私たちの仕事は、「未来を予測すること」ではなく、
「今、何が起きているかを見ること」。
そして、それに素直に従うこと。
ファンダを知らなくても勝てる。
けれど、チャートを読めなければ、絶対に勝てない。
情報に振り回されず、静かにチャートを観察する。
その姿勢こそが、最終的にあなたを“常勝トレーダー”へ導く道だと、私は信じています。

